住宅をエレメントから考える(後編)
間仕切りのイメージ
塩崎太伸(建築家)
『新建築住宅特集』2016年4月号 掲載
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-01.png)
栗原健太郎+岩月美穂
広い中庭に架け渡された12mの円弧状のスロープが、パブリックな生活空間と、プライベートな生活空間のふたつの棟を1層ごとに繋ぐ。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-02.png)
個室や庭などのスペースを接続する壁に沿って縦動線を巡りながら40mに及ぶ長手の距離をシークエンシャルに経験することで、2世帯の断片的な生活が繋がっていく。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-03.png)
塚本由晴+貝島桃代
細長い敷地の中央に配された中庭が建物を2棟に分割しながらも、渡り廊下、窓からの視線、蔦が這うネットによって繋げている。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-04.png)
天高4,450mmのアトリエが街並みに開放的な場所をつくりつつ、天高1,980mmの2階ギャラリーリビングがバッファーとしての役割を果たし、3階住居部へと繋がる。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-05.png)
ひだ状の空間配置により、極小の単位空間の間に外部空間が間仕切りとして差し込まれ、内/外/内の視線の繋がりが多様に展開する。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-06.png)
14の床がレベル差をもって重なり、リビングやダイニングなどを分節している。距離も視線も近いけれど動きとしては間仕切られる。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-07.png)
建主が保有していた紗の着物を洗い張りした障子。奥には玄関の格子戸とアプローチが透けて連続する。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-08.png)
Elding Oscarson
住宅を囲む庭の緑色と馴染むようにムラをつけて手染めされた大きいカーテンはLDKを柔らかく包み込む。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-09.png)
納谷学+納谷新
4つの子供部屋を淡い色で塗り分けることで、子供部屋と隣り合う空間が対比的に感じられる、色による間仕切り的空間。
![](/column/pic-archive/architecture_urban/vol17/img-06-10.png)
室と浴室を繋ぐアーチ型開口部の側面をステンレス材を用いた鏡面とし、向こう側が反転した世界をくぐり抜ける体験をつくり出す。
間仕切りは必ずしも面的なものでなくてもよい。人の感覚に変化を与える要素が間仕切りとなり得るかもしれない。そこで、間仕切りの感覚をつくるエレメントのイメージを集めてみた。
背景:「K」 木村吉成+松本尚子
1?6頁 編集:塩崎太伸 小林佐絵子 吉池葉子 特記なき写真撮影/新建築社写真部
雑誌記事転載
『新建築住宅特集』2016年4月号 掲載
https://japan-architect.co.jp/shop/jutakutokushu/jt-201604/
このコラムの関連キーワード
公開日:2016年08月31日